「Sorry」が「すみません」に変わった日 ― イギリスから日本へ、変わらなかったのは人を支える喜び。(前編)
世話カツ編集部(Helte)
公式
2026年10月30日
ララさん
ホテルのトラベルパートナー
出身
イギリス
年齢
20代
性別
女性
「高校時代、日本の伝統芸術に魅了されたことをきっかけに日本語を学び始めました。 今回は、そんなララさんがどのように日本との縁を深め、日本で新たな一歩を踏み出すことになったのか、その物語をお届けします✨」
日本との出会いは「美術」だった
高校時代、私は美術を専門的に学んでいました。
その学びを通して、初めて日本の伝統的な美術や芸術に触れる機会がありました。
当時作品を見たときは、「なんて素晴らしいんだろう」と強く心を動かされたのを覚えています。
どの作品もとても美しく、深い感動を受けました。
そして、その経験がきっかけとなり、日本語そのものにも興味を持つようになりました。
私にとって日本語の漢字は、単なる文字ではなく、一つの芸術作品のように感じられます。
文字の形がとても美しく、その魅力に惹かれるうちに、もっと日本語を学びたいと思うようになりました。
振り返ると、私の日本語への興味は、日本の芸術との出会いから始まったのだと思います。
▶︎好きな日本語「花より団子」
どう説明したらいいでしょうか……。
もちろん、花そのものもとても綺麗です。
でも、私が惹かれるのは花そのものというよりも、そうした身近でシンプルなものにまで心を込める文化です。
例えば、お団子のようなとてもシンプルな食べ物でも、作った人の想いや心遣いが感じられます。
日本の人々は、そうした気持ちをとても大切にしているように思います。
そして、そういったものは時に人の心を癒やしたり、元気づけたりする力も持っています。
お団子を誰かに贈るという小さな行為ひとつをとっても、そこには愛情や思いやりが込められていると感じます。
私は、そんな日本の文化がとても温かくて素敵だと思います。
▶︎日本に来て驚いたこと
特に印象的だったのは、日本の治安の良さと街の清潔さです。
日本では、夜に一人で散歩をしていても比較的安心して過ごすことができます。
しかし、イギリスでは少し事情が異なります。
女性が夜に一人で出歩くことはあまり現実的ではなく、安全面で不安を感じることが多いです。
また、人との距離感の違いにも驚きました。
イギリスでは、初めて会った人と握手をすることがよくありますし、家族や友人とのスキンシップも比較的多い文化です。
しかし、日本に来てからは、友達同士であってもあまりスキンシップをしないことに驚きました。
私は時々、友達をハグしたくなることがあったのですが、日本人の友達は「えっ!?」というような少し驚いた反応をすることがよくありました。
そのたびに「あ、ごめんごめん、忘れてた」と言っていたのを覚えています。
日本ではあまりそうした文化がないため、最初はなかなか慣れることができませんでした。
ところが、日本で1年ほど生活した後にイギリスへ帰ったとき、今度は逆のことが起こりました。
家族や友人がいつものようにハグをしてくれたのですが、今度は私自身がその距離感に慣れなくなっていたのです。
「えっ、こんなに近かったっけ?」と、自分でも驚きました(笑)
人と人との距離感は国によって本当に違うのだと実感しました。
そして、その違いに慣れるまでには思っていた以上に時間がかかりました。
慣れるまでは恥ずかしさを感じたり、少し居心地の悪さを感じたりすることもありましたが、今ではそれも異文化の面白さだったと感じています。
▶︎「Sorry」が「すみません」になっただけでした
イギリスと日本には似ているところがあると思います。
特に感じるのは、「謝る文化」です。
イギリスでは、道で誰かに少しぶつかったり、ただすれ違ったりしただけでも、「Sorry」「Sorry」と自然に言うことがよくあります。
これはイギリスではとても一般的な習慣です。
日本に来てからも、みなさんがよく「すみません」と言うことに気づきました。
特に知らない人に話しかけるときや、ちょっとした場面でも自然に使われていますよね。
私自身、もともとそうした文化に慣れていたので、日本の「すみません文化」にはまったく違和感がありませんでした。
むしろ親しみを感じましたし、「何かあったらまず『すみません』と言う」という感覚は、イギリスと日本でとても似ていると思います。
▶︎イギリスも、日本も、恋しくなるもの
日本での生活はとても快適ですし、日本人の気配りや思いやりの文化は本当に素晴らしいと思います。
一方で、日本では「人に迷惑をかけないように」という意識が深く根付いており、だからこそ安心して暮らせる環境が保たれているのだと感じています。
その影響もあって、私自身も周囲への配慮をより意識するようになりました。
ただ、私はまだこの文化に慣れている途中で、ときには少し緊張してしまうこともあります。
そのため、時々イギリスの比較的自由でおおらかな雰囲気が恋しくなることもあります。
ですが、これからの日本での生活の中で、少しずつ自分なりのバランスを見つけながら、より自然に日本社会に溶け込んでいけたらと思っています。
まだ自分なりに慣れていく必要がある部分もありますが、それ以上に日本での生活にはたくさんの魅力があると感じています。
もし今イギリスに戻ることになったら、日本の安全さはもちろんですが、特に恋しくなるのはコンビニと外食文化です!
イギリスにもコンビニのようなお店はありますが、日本ほど多くはなく、価格も高めです。
また、日本には手頃な価格でおいしい食事を楽しめるお店がたくさんあり、気軽に外食できるのも大きな魅力だと思います。
イギリスでは外食の価格が高く、日本ほど気軽に利用することはできません。
イギリスの自由な雰囲気も好きですし、日本の便利さや暮らしやすさも大好きです。
両方の国で暮らしたからこそ、それぞれの良さや魅力を実感できるようになったのかもしれません。
仕事あれこれ
▶︎8歳の女の子との出会いが教えてくれたこと
私は3歳の頃から水泳を続けてきました。
子どもの頃は競技選手として毎日のように練習していました。
水泳は私の生活そのものでしたが、中学生になる頃には少し疲れを感じるようになっていました。
そんな時に出会ったのが、水泳を教える仕事です。
最初はアシスタントコーチとして働き、その後はインストラクターとして子どもたちに水泳を教えるようになりました。
その中で、今でも忘れられない出来事があります。
当時担当していた8歳の女の子は、生まれつき片腕がなく、水に体を預けることが怖いため、なかなか背浮きができませんでした。
私たちは焦らず、少しずつ練習を続けました。
そして約1年後。
彼女はついに、自分の力だけで背浮きができるようになったのです。
その瞬間、私は思わず涙があふれました。
彼女の嬉しそうな笑顔。
ほっとした表情を浮かべるご両親。
その光景を見ながら、私も心から嬉しくなりました。
今でもあの日のことを鮮明に覚えています。
そして私は、その経験を通してあることに気づきました。
私は泳ぐことそのものが好きなのではなく、人の成長を見ることが好きだったのだと。
できなかったことができるようになる。
少しずつ自信を持てるようになる。
そして笑顔になる。
そんな瞬間に立ち会えることが、私にとって何よりの喜びでした。
▶︎ずっと変わらなかったもの
その後、英語を教えていた時も同じようなやりがいを感じていました。
生徒が新しい単語を覚えた時。
初めて英語で会話ができた時。
そんな嬉しそうな表情を見るたびに、「この仕事を選んで良かった」と感じていました。
だからこそ、今でも人と関わる仕事が好きです。
現在は日本でホステルのフロントとして働いています。
この仕事の魅力は、世界中から来るさまざまな人と出会えることです。
ある時、私の故郷の近くから来た旅行者と出会いました。
最初はおすすめの観光地やレストランを紹介しただけでしたが、会話を重ねるうちに仲良くなり、後日一緒に食事へ行くほどの友人になりました。
振り返ってみると、水泳コーチ、英語講師、そして現在のホステルの仕事まで、私がやりがいを感じる瞬間はいつも同じでした。
誰かが新しい一歩を踏み出すこと。
誰かの役に立てること。
自分の関わりによって、相手が笑顔になってくれること。
そして、その喜びを一緒に分かち合うこと。
私が好きなのは、誰かの人生が少し前に進む瞬間なのかもしれません。
▶︎日本で働きたい
私は日本人と話すことや日本文化に触れることが好きで、日本での生活にも大きな魅力を感じています。
日本語の勉強を続けながら、日本語と英語の両方を活かせる環境で働き、自分自身をさらに成長させていきたいと思い、日本での就職を希望しました。
まだ流暢に話せるわけではありませんが、これからも少しずつスキルを伸ばし、職場でも自然に日本語を使えるようになりたいと思っています。
いつか仕事で日本語を使いこなせるようになったら、「自分はここまで頑張れたんだ」と感じられると思いますし、自分自身の成長にもつながると思います。
次回は
ララさんの日本でのリアルな就職活動や今後の目標、そして日本で働きたい方へのメッセージとは?
続きは後編でご紹介します✨
ぜひお楽しみに!
メディアサイト&SNSでも、日本の就職に役立つリアルな情報を発信中!
- 🌸 世話のわ
- 🎥 YouTube
- 💬 LINE