「日本なら行っておいで」母の一言が背中を押した。幼い頃を過ごした日本へ、もう一度。(前編)
世話カツ編集部(Helte)
公式
2026年10月30日
アナさん
ホテルフロント・マーケティング
出身
ブラジル
年齢
20代
性別
女性
「「帰国したはずなのに、そこは異国だった。」 幼少期を日本で過ごしたアナさんが、11歳でブラジルへ帰国した時に感じた大きなギャップ。 言葉、食事、文化、人との距離感—— すべてが変わった環境の中で、彼女は何を感じ、なぜ再び日本で働くことを選んだのでしょうか。」
日本と、私の話。
▶︎幼い頃の思い出の日本
幼少期、小学6年生になる前まで日本に住んでいたので、もともと日本の文化には馴染みがありました。
子どもの頃の日本の印象としては、あくまで子どもなりの感想ですが、エンターテインメントがとても充実していて、楽しめることがたくさんあると感じていました。
実際にできることも多く、毎日がとても楽しかった記憶があります。
▶︎帰国したはずなのに、異国だった
11歳でブラジルへ帰国した時、私は大きな環境の変化に直面しました。
食べ物も違う。
言葉も違う。
文化も違う。
慣れ親しんだ日本とは全く異なる環境での生活が始まりました。
自分では理解していたつもりでも、実際に生活してみると戸惑うことばかりでした。
ポルトガル語は相手の話していることを理解できても、自信を持って話すことができず、改めて学び直す必要がありました。
また、今ではすっかり慣れましたが、帰国したばかりの頃は短期間のうちにあまりにも多くの変化があり、精神的にも大きな負担を感じていました。
特に食生活の違いは大きく、当時はブラジルの食事になかなか慣れることができませんでした。
さらに、精神的な負担も重なり、体重もかなり減ってしまいました。
言葉、国、文化、生活習慣、そして食事。
あらゆるものが一度に変わり、まるで人生そのものが360度変わってしまったような感覚でした。
そのため、新しい環境に適応するまでには多くの時間と努力が必要でした。
▶︎みんなは普通。でも、私は驚いた
ブラジル人の方が日本人よりも人との距離が近く、フレンドリーかもしれません。
例えば、スーパーに行くと、知らないおばあちゃんが気軽に話しかけてくることもあります。
また、ブラジルではスキンシップもとても多く、挨拶の際にハグをしたり、頬にキスをしたりするのも一般的です。
一方で、日本では相手との距離感を大切にする人が多い印象があります。
そのため、11歳で初めてブラジルに帰った時は、みんなが積極的に距離を縮めてきたり、自然にハグをしてくれたりしたので、少し驚きました。
▶︎日本が恋しくなったこと
私は、日本の生活のしやすさと安心感に魅力を感じています。
例えば、夜にアイスが食べたくなった時でも、気軽にコンビニへ行くことができます。
そうした何気ない日常の便利さは、日本を離れてから改めてそのありがたさに気づきました。
私は食べることが好きなんですが、日本では手頃な価格でも美味しいものが食べられるところが魅力だと思います。
また、私は和食が大好きです。
小学校時代を日本で過ごし、毎日給食を食べて育ったこともあって、日本の味は私にとってとても身近で親しみのある存在でした。
そのため、気づけばブラジル料理よりも和食の方が好きになっていて、自分には和食の方が合っているように感じます。
ちなみに、お餅が大好きです(笑)。
そして、私は暑い気候よりも寒い気候の方が好きです。
冬はファッションを楽しめますし、おしゃれな人も多いですよね。
私が住んでいたブラジルの地域は一年中暑く、まるでずっと夏が続いているような気候でした。
そのため、日本の四季にはとても魅力を感じています。
就職・転職のあれこれ
▶︎人を助けることの楽しさを知った
大学ではデザインやシステム分析、開発について学びました。
卒業後はヘルプデスクとして働いていました。
ヘルプデスクは一般的にITの仕事だと思われがちですが、私自身はある意味でサービス業や接客業に近い仕事だと感じていました。
業務では、電話やメール、チャットなどを通じてさまざまな問い合わせに対応し、ときには直接問題解決のサポートを行うこともありました。
利用者の中にはIT機器の操作に慣れていない方も多く、一つひとつサポートしていく中で、「助かりました」「ありがとう」と感謝の言葉をいただく機会がたくさんありました。
そうした経験を重ねるうちに、人と関わりながら誰かの役に立つことに大きなやりがいを感じるようになりました。
自分のサポートによって相手の困りごとが解決し、喜んでもらえることが嬉しく、私はサービス業に向いているのかもしれないと思うようになりました。
▶︎「日本なら行っておいで」母の言葉が支えに
ブラジルで仕事を見つけるのは本当に大変なんです。
特に地方や小さな町では、知り合いの紹介がないとなかなか仕事が見つからなくて、人とのつながりがとても大切なんですよね。
日本で働くことを決めたときは不安もありました。
でも、もともと前向きな性格なので、「きっとなんとかなるだろう」と思っていました。
母からも「ブラジルで一人暮らしをするのは心配だけど、日本なら安心できるから行っておいで」と言われて。
結果的には、母の言葉が大きな後押しになったと思います。
▶︎日本とブラジル、面接文化の違い
日本の企業の面接では、「うまくいったかも」と思っていたのに、不採用だったことがありました。
面接官の反応も良く見えるので、つい期待してしまうんです。
でも実際には、自分の勘違いだったということもありました。
一方、ブラジルの面接官は反応が比較的分かりやすいんです。
面接中の態度や表情から、「今回は難しそうだな」と感じることもあります。
日本の面接官は最後までとても丁寧で、ずっと笑顔で接してくださるので、その分、結果を予想するのが難しいと感じました。
次回は
再び日本へ戻る場所は、どこなのか。
これからの目標は?
そして、日本で働きたいと考えている人へ、一番伝えたいこととは――。
後編もぜひお楽しみに!
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